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自然環境を守る「ビオトープ」の取り組み

皆さんは、「ビオトープ」というものをご存知でしょうか。

近年では、学校での環境教育の一環として名前が出たり、単純に小さな鉢などで自然環境に似せた形で植物や生物を飼うことも「ビオトープ」と呼ぶことがあったりと、何かと耳にする機会も多いと思います。

後者の方は少し意味合いも変わってきますが、基本的にビオトープは「生物が生息できる空間」のことを指します。

自然環境や生物の多様性を考える上でも重要なものであり、SDGsの観点から、自然環境保護の取り組みの一環としてビオトープを形成する地域などもあります。

この記事では、ビオトープとはどんなものか、ビオトープを自然環境保護の取り組みとして実践している事例に触れながら紹介していきます。

ビオトープとは?

ビオトープとは、bio(生命)とtopos(場所)を掛け合わせた造語で、前述の通り「生命が生息できる場所」のことを指します。

生物が生態系を形成する環境のことを指すので、トンボであれば、卵を産みつけ、ヤゴが育つ池は「トンボのビオトープ」と言える、といったイメージです。

元々は生物学の用語として使われていましたが、近年では「人工的に整備された、生態系形成のための自然環境」という意味も持ちます。

この概念はドイツが発祥と言われており、日本では1990年代から取り入れられるようになりました。

日本では都市化による自然環境の破壊に影響して生態系の崩壊を多く引き起こしてしまった社会問題から、生物が生息できる環境づくりの一環としてビオトープの導入を取り入れることが増えてきました。

ビオトープの事例

https://www.sapporobeer.jp/brewery/shizuoka/shisetsu/

静岡県のサッポロビール静岡工場では、工場敷地内にビオトープ園を併設しています。

園には、約90種類の樹木があり、水辺にはフナやメダカ、ザリガニなどが生息しています。
ビオトープに棲む虫や水場、木陰を求めて、約50種類の野鳥が訪れるなど、多様な生物が共生しています。

https://www.sumibe.co.jp/biotope/

同じく静岡県の住友ベークライト株式会社の静岡工場でも、ビオトープ「憩いの杜」の整備を行っています。

こちらも一般公開されており、昔から志太平野に生息していた多様な動植物が生育・生息できる環境を体感できます。

まとめ

身近な自然環境の保護を目的としたビオトープは、生物の多様性を保つためにも重要な設備です。
自分たちだけではなく、虫や動物、植物が生息していく環境づくりも、より良い未来のためには必要な活動と言えるでしょう。

Sus&Us編集部

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