記事・コラムTOPICS

省エネ住宅で考えるべきは「窓」

日本は省エネ先進国でありながら、住宅の省エネについてはいまだ後進国といわざるを得ない状況であることを知っていますか?
何が問題となっているのか、今回、ひも解いてみたいと思います。

歴史的に重要視された防火対策と地震対策

日本では、歴史的に防火と地震に強い家づくりが推進されてきました。
それは、地震が多いこと、燃えやすい木材で建築された家が多かったことがその背景です。
そのため、長らく断熱・気密性がないがしろにされてきました。

住宅の断熱・気密性は省エネと深く関わっています。
断熱・気密性の低い住宅は熱効率が悪いので、いくら温めたり冷やしたりしてもすぐに空気が逃げてしまい、暖房・冷房に使うエネルギーが際限なく必要となります。
一方、断熱・気密性の高い住宅は、あまりエネルギーを使わず心地よい気温を保つことができます。
世界的には、断熱・気密性は建築基準のひとつとなっているため、基準値以下の住宅を建築することができないのですが、これまで日本ではこの基準すらありませんでした。

それが、2021年10月、政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言、2030年度46%削減(2013年度比)目標が盛り込まれた地球温暖化対策計画によって、大きく変わろうとしています。
特に、削減余地の大きな家庭については、削減率66%という大きな目標が建てられています。

2022年6月、エネルギー消費量の約3割を占める建築物分野の改革として建築物省エネ法が改正され、すべての新築住宅・新築非住宅、増改築建築物に省エネ適合義務が課せられることとになりました。

とはいえ、この法改正の断熱性能基準は世界各国からみると十分とはいえず、この法改正によって省エネ住宅が普及するかどうかは今後にかかっているといえそうです。

断熱性向上には、窓の改革が必須

外気温に左右されない、そして室内各所の温度差が少ない家をつくるのが断熱・気密性能です。
断熱については、断熱材をしっかり施工することでその性能を高めることができます。
そのうえで、隙間をなくし、空気の出入りを少なくする気密性能により、冬暖かく夏涼しい家となります。

断熱性能を高めても、住宅に隙間が多く気密性能が低いと、冷暖房した空気が外に逃げるため冷暖房効率の悪い家になってしまいます。省エネ住宅をめざすためには、断熱性能と気密性能の両方を求める必要があります。

この、気密性能を高める鍵が窓にあるといわれています。
窓の断熱性能を表す指標に、「U値」(熱貫流率)という考え方がありますが、世界的にこの指標が基準値として設けられているにもかかわらず、日本では、基準がない状態となっています。

「U値」は、数値が大きいほど断熱性能が低いのですが、欧米各国がほとんど1~2という数値にもかかわらず、日本は3~5で、断熱性能が圧倒的に低い状況です。

この理由のひとつに、日本で普及しているアルミサッシの影響があります。
アルミサッシは断熱性能が低く、結露の出やすい窓枠です。
一方、樹脂サッシは断熱性能が高く、世界中で普及しています。
普及率は、欧米で約60%以上、韓国でも80%、一方の日本では7%です。

参考:経済産業省による建築材料等判断基準WGヒアリング資料

徐々に樹脂サッシが普及しているともいわれていますが、同時に、断熱、防音効果の高い複層構造の窓ガラス、あるいは二重窓についても省エネ性能を向上させるカギとして、日本中に広まってほしいものです。

まとめ

家庭のエネルギー消費の約30%を占めるといわれている暖冷房ですが、冬の暖房時に屋外に逃げ出す熱の約6割、夏の冷房時に屋外から入る熱の約7割が窓などの開口部で、省エネ住宅のカギは窓にあるといえます。

省エネ住宅は常に屋内の温度・湿度が一定であり、快適なうえに健康にも良いとされています。
今後、住宅建築やリフォームなどを考える際には、まず窓について考えるとよいかもしれません。

参考:経済産業省資源エネルギー庁「省エネ住宅」
省エネ住宅の参考コラム:新しいマイホームの形「ZEH(ゼッチ)」

Sus&Us編集部

この記事をシェアする

TOP