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再エネ関連の頻出ワード、グリーン電力証書とは?非化石証書と何が違うの?

再生可能エネルギー(以下、再エネ)の話題や企業報告でよく見かける「グリーン電力証書」という言葉。なんとなく、再エネ関係の証書なんだろうとは知っていても、これらが具体的にどういった意味や効果を持っているのか。また、「非化石証書」などのよく似た存在とはどういう違いがあるのかまでは、知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、グリーン電力証書とは一体どういうものなのか、セットでよく語られる非化石証書とはどういった違いがあるのかを解説していきます。

グリーン電力証書の持つ意味と環境価値とは

まずは、グリーン電力証書がなんたるかの解説から進めていきましょう。
これはその名の通り、再エネ電源から発電されたグリーン電力の環境価値を証書化したものとなります。グリーン電力と認められている発電方法は、太陽光・風力・水力・地熱・バイオエネルギーの5種類です。
グリーン電力は「電気そのものの価値」に加え、省エネ(化石燃料の節減)やCO₂排出削減といった付加価値を持ちます。この付加価値こそ、「環境(付加)価値」と呼ばれる、グリーン電力証書の証明対象です。

グリーン電力証書を購入すれば、金額に応じた環境価値を手に入れることができ、その電源に関わらず、使用する電気を再エネ電力として見なすことが可能となります。購入した企業や団体が発電設備を持っていなくとも、グリーン電力証書を発行することで、証書に記載された電力量をCO₂削減量に換算できる。これがグリーン電力証書を購入することの最大のメリットです。
また、グリーン電力証書の購入によって、グリーン電力の使用を示す「グリーン・エネルギー・マーク」も提供されるので、企業パンフレットやCSR報告書、自社製品などに用いることで対外的なPRも可能となります。さらに、消費者もこのマークがついた製品を購入したり、企業を応援したりすることで間接的にグリーン電力の普及拡大に貢献が可能です。

各種報告書への記載要件も満たしているため、非常に高い信頼度の証書であることもうかがえます。
CDP:気候変動リスクに関する情報開示の報告書
SBT:企業の温室効果ガス削減目標に関する進捗状況報告書
RE100:事業の運営を100%再エネで賄うことを目指す活動報告書

グリーン電力の購入に関して

グリーン電力は第三者機関の認証を得て、グリーン電力証書発行事業者が発行しています。グリーン電力証書はいかなる企業・団体でも、証書発行事業者からの直接購入が可能です。
2022年4月25日時点において、日本品質保証機構と契約を締結している証書発行事業者(申請者)は、グリーン電力が37事業者、グリーン熱が3事業者となっています。

グリーン電力証書の年間の発行量は、カーボンクレジットの代表格であるJ-クレジットや非化石証書と比較して最も少ない状況にあります。また、価格においてもJ-クレジット(再エネ由来)が最も安く、グリーン電力証書が最も高額の水準です。

とはいえ、個々の価格は発行事業者によって異なるため、それぞれ金額を調べる必要があります。環境省の事業者ヒアリングによれば、2~7円/kWh程度と言われています。また、一般的に証書の購入量が多いほど価格は安価になる傾向があります。

環境省「気候変動時代に公的機関ができること ~「再エネ100%」への挑戦~」

非化石証書との違いについて

冒頭で述べたように「グリーン証書」と似た存在として「非化石証書」があります。こちらも再エネ関連の証書ですが、グリーン証書との違いは、再エネを含めた非化石電源(化石燃料を使用しない電力源)によって発電された電力であること。要するに、グリーンエネルギーではない原子力発電も非化石電源に含まれるのです。
また、もう一つの大きな違いとして、証書発行事業者からの直接購入ができるのは小売り電気事業者や発電事業者に限られる点があります。つまり、非化石証書を求める場合には、そうした事業者と電力供給契約を結ぶ必要があるのです。

まとめ

今や広く浸透している「グリーン証書」。企業や団体でなくとも、証書が付いている製品の購入によって再生エネの導入拡大に貢献できるため、個人レベルでも意識するといいでしょう。再エネを身近に感じるきっかけの一つになるはずです。

Sus&Us編集部

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