スポーツ選手を取り巻くトランスジェンダー問題
SDGsのゴールの一つである「ジェンダー平等を実現しよう」。
私たちの生活の中でもよく耳にする「ジェンダー問題」。
スポーツの世界でも、ジェンダー問題に関連する取り組みが広がっています。
一昨年開催された東京オリンピックでは、史上初のトランスジェンダーを自認する選手が参加したことでも話題になりました。
男女区別の意識が根強いスポーツ界において、現状トランスジェンダーの扱いはどうなっているのでしょうか。
最近の事例から見ていきましょう。
オリンピック史上初のトランスジェンダー公表選手の出場
2021年に開催された東京オリンピックでは、重量挙げでトランス女性であるローレル・ハバード選手が、自認する性別である女子87キロ超級に出場したことが大きな話題となりました。
彼女はジュニア時代、重量上げでニュージーランドの男子記録を保持しており、2012年に性転換後、トランスジェンダー女性として初の国際大会タイトル保持者となるなどの活躍を見せていた選手です。
オリンピックでは、トランスジェンダー自認者が自認する性別の競技に参加するには、性別適合手術を受け、性別が法的に承認されているなどの条件が必要でしたが、2015年のガイドライン改訂で宣言後4年は変更不可になる性自認の宣言を行い、出場するまでの最低1年間、筋肉量を増強するとされるホルモンの一種「テストステロン」値が一定以下であることなどを条件に、トランスジェンダー自認者の女子競技への出場を認めています。
ハバード選手も条件を満たした上で出場し、結果は振るわなかったものの、世間的にはなかなか認められないトランス女性選手が出場できるような整備が進んでいます。
しかし、一方で国際水泳連盟(FINA)は、トランスジェンダーの選手について、男性の思春期をわずかでも経験した場合は、女子競技への出場を認めない方針を発表。
それに追随し、世界陸連は23日、トランスジェンダーの女性が国際大会で女子カテゴリーに出場するのを禁止するなど、まだまだトランスジェンダー選手が自由に活躍できる環境にはなっていません。
まとめ
トランスジェンダーの競技出場は、「不公平である」と言った主張が多く、まだまだ理解は得られていませんが、トランスジェンダーの方々が自由に競技に参加できるようなルール整備が求められています。
「すべての人を受け入れ、尊重する」社会のために、活発に議論を進めていくことが重要です。
参考記事:https://www.tokyo-np.co.jp/article/119706
Sus&Us編集部