SDGsには、なんだか難しそうと感じる言葉が多く使われています。
その言葉の意味を知れば、SDGsをもっと身近に感じるはず。
今回は「サプライチェーン」について解説します。

サプライチェーンとは

私たちがコンビニで手にするお弁当は、お米や野菜といった原材料が農家などの生産者から工場に運ばれ、調理・加工され、包装されて店頭に並びます。
こうした原材料・部品の調達、製造から流通・販売を経て、商品が消費者に届くまでのすべての工程を、一つの流れとして捉えた考え方のことをサプライチェーンといいます。
サプライチェーンでは、商品が製造者から消費者の方へ流れていくのに対し、お金と情報は消費者から生産者へと流れていきます。

サプライチェーンには、原材料を販売している企業、部品の加工や組み立てを行っている企業、物流を担う運送会社や商品の販売店なども含まれます。
近年、経済活動のグローバル化に伴い国境を越えて構築されることが多く、複雑化するとともにさまざまな問題が起こっています。われわれが手にしている商品が元をたどってみると、別の国や地域のどこかで環境汚染や低賃金労働などにつながっているかもしれないのです。

サプライチェーン・マネジメント(SCM)について

SCMは、1980年代にアメリカのコンサルティング会社、ブーズ・アレン・ハミルトンが提唱し使われるようになった言葉といわれています。サプライチェーン全体の流れを見直し、プロセスの効率化と最適化を実現するための経営管理手法です。
時間短縮、在庫の縮小、設備の稼働率向上などによるコスト削減で経営の効率化を目指すことが主な目的に挙げられます。

日本では、2000年前後にSCMが普及し、多くの企業が導入しました。現在、SDGsへの取り組みやグローバル化、自然災害リスクなどにより、再び注目されています。経営の効率化のみならず、持続的な事業継続のためにも欠かせないからです。

サプライチェーン・リスク・マネジメント(SCRM)

SCRMとは、サプライチェーンを俯瞰してリスクを分析し、対策を講じることです。
原材料などの調達から、生産・物流・販売に至るまでのサプライチェーンに存在するリスクを特定・評価し、サプライチェーンが有効に機能し続けるように必要な対策を講じます。サプライチェーンに関わるあらゆる関係者を対象として考えるところが特徴といえます。

代表的なリスクには自然災害、テロ、調達先の倒産、労働争議の発生、コンプライアンス違反等による拠点機能の停止などさまざまあります。特に、環境問題に深くかかわる調達やコンプライアンス、労働の分野はSDGsの推進と深くかかわっています。

SDGsとサプライチェーン

企業にとってサプライチェーンの最適化は、事業運営上、命題ともいえるものです。加えて、SDGsの観点からは、環境にやさしい原材料の使用、各国の法の遵守、労働・人権問題への対応などが課題となっています。
そこで、SDGsをサプライチェーン全体で推進するため、サプライヤーへの働きかけ、グリーン調達の徹底、持続可能な調達など、企業はさまざまな取り組みを行っています。

企業によるSDGsに関連したサプライチェーン・マネジメントへの取り組みの現状を知りたい方は、『ESG 時代のサプライチェーンマネジメントに関する自主調査』(株式会社日本能率協会総合研究所、株式会社日本能率協会コンサルティング)が参考になります。