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「2030アジェンダの履行に関する自発的国家レビュー2021」とは?

SDGsの基本文書である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、各国が定期的にSDGsの進捗状況を報告するように促しています。
それを受け、日本は2017年と2021年の2回、内閣に設置されたSDGs推進本部が取り組みや達成状況の報告を行っています。
最新の2021年の報告内容について、目標ごとの評価を見てみましょう。

参考:2030アジェンダの履行に関する自発的国家レビュー2021~ポスト・コロナ時代のSDGs達成へ向けて~(外務省HP)

政府による各目標の達成状況の評価

各目標の達成状況について、政府は以下のような自己評価を行っています。

【ゴール1 貧困をなくそう】
2018年の「相対的貧困率」は15.4%(対 2015年マイナス0.3 ポイント)。新型コロナウイルス感染症の拡大は、今後の状況変化を要注視。

【ゴール3 すべての人に健康と福祉を】
2020年は11年ぶりに自殺者数が増加し、特に女性の自殺者数は前年と比べて935人増加。

【ゴール4 質の高い教育をみんなに】
学習指導要領の改訂が行われ、持続可能な開発のための教育(ESD)の理念が盛り込まれた。

【ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう】
女性活躍は一定の前進が見られているが、日本のジェンダー・ギャップ指数の総合順位は156か国中120位。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、女性に特に強く表れている。

【ゴール7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに】
再エネ比率は18%(2019年度)にまで拡大。導入量は再エネ全体で世界第6位(2018年)、太陽光発電は世界第3位(2018年)となり、再エネの導入は着実に進展している。

【ゴール13 気候変動に具体的な対策を】
温室効果ガスの総排出量は、2014年度以降、6年連続減少。

円卓会議による各目標の達成状況の評価

各目標の達成状況については、民間セクター、NGO/NPO、有識者、国際機関、各種団体などからなる円卓会議による評価も行われています。

【ゴール1 貧困をなくそう】
貧困率は2018年で15.4%、6人に1人が貧困。子どもの貧困率は13.5%で7人に1人の子どもが貧困。

【ゴール3 すべての人に健康と福祉を】
2020年初頭から新型コロナウイルス克服のための国際協調に取り組み、COVAX(ワクチン分配の国際的な枠組み)、ACTアクセラレーター(治療等対策推進の国際的な枠組み)の創設や資金拠出にも積極的に取り組んだことは高い評価に値する。

【ゴール4 質の高い教育をみんなに】
外国籍の児童・生徒のうち、6人に1人(約16%)が小学校・中学校に通えていない。

【ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう】
ジェンダーギャップが深刻化。新型コロナウイルス感染症の拡大で家賃延滞等が発生。「生理の貧困」問題も顕在化。女性の自殺率は、2020年10月の調査によれば前年比86%増。20代、40代では2倍に増加。

【ゴール7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに】
2050年に温室効果ガスの実質的排出をゼロにするという目標に鑑みると、再エネの大幅な増加には未だほど遠い。

【ゴール13 気候変動に具体的な対策を】
国内では300を超える自治体がゼロカーボンシティを表明。企業レベルにおいても、「SDGs実態調査」では90%以上の企業が脱炭素化に向けた取組を進めている。

【ゴール16 平和と公正をすべての人に】
京都コングレスを開催して国際的な役割を果たしており、司法・犯罪対策、途上国の法制度整備に取り組んでいる。

報告書では、17のゴールそれぞれについての進捗状況がデータも交えて紹介されています。詳しく知りたい方はチェックしてみてください。

Sus&Us編集部

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