デジタル時代のサステナビリティ情報開示

2021年も続くコロナ禍の中で、企業はどのようなサステナビリティ情報開示をすべきなのでしょうか。結論から言いますと、2020年代は情報開示のデジタル化がより進みます。社会のデジタル化推進(DXの普及)もあり、情報開示は冊子ではなく、非対面/非接触のコミュニケーションとしてインターネットを介したものに変わりつつあります。冊子ありきではなく、ウェブコンテンツも含めた、総合的なコーポレート・コミュニケーションとしての情報開示が求められ、その重要性は今まで以上に高まっています。

私は全上場企業のサステナビリティ・ウェブコンテンツを毎年定点観測していますが、その中で気づいたことがあります。数年前から大手企業を中心に、コーポレートサイトのサステナビリティ・コンテンツやIRコンテンツ/ESGコンテンツの情報を充実させる企業が増えているものの、冊子を想定したサステナビリティ・レポートの情報をコピー&ペーストしているだけで、読みにくいコンテンツが多数あるのです。ではこれらを読みやすい形式にするにはどこに注意すればよいかというと、それは「情報単位」だと思います。

ウェブと冊子の決定的な差

情報単位とは開示する形式を指します。たとえば、冊子で80ページのサステナビリティ・レポートがあるとします。冊子は様々な情報が80ページ1冊にまとめられていますが、ウェブコンテンツは1ページが最小単位であり、1ページが80個ほどあって冊子1冊と同じ情報量になります。

>>冊子
80ページが1冊になっている → 80ページ完結型

>>ウェブコンテンツ
1ページの情報が80ページある → 1ページ完結型

ウェブコンテンツは原則1ページで完結します。画面には1ページしか表示できないからです。1ページに、80ページ分の情報を詰め込むことは不可能ではないものの現実的ではありません。そして、冊子は表紙から見ていくので、欲しい情報以外にも触れる機会がありますが、自動的にページが推移することは原則ありませんので、ウェブコンテンツでは読者の興味あるコンテンツのみしか閲覧されない特徴があります。

この企業のウェブコンテンツ見にくいなと感じたら、その多くは情報単位が冊子のものを使っているのです。ウェブコンテンツと冊子には決定的なメディア特性の差がありますので注意が必要です。冊子で作ったコンテンツを、そのままウェブコンテンツにするとユーザビリティが著しく低下してしまうので注意が必要です。