【イベントレポート】THE ALFEE 高見沢俊彦さんが現代の民話を創作!?「海ノ民話アニメーション2024完成披露イベント」特別トークショーを開催

一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2025年3月29日(土)、銀座 蔦屋書店(東京都中央区)にて、2024年度に制作した「海ノ民話アニメーション」の完成披露イベント特別トークショーを開催しました。
昨年デビュー50周年を迎えた人気ロックバンド「THE ALFEE」のリーダーであり、神話や歴史をテーマにした小説も手がける高見沢俊彦さんを迎え、民謡研究家の佐藤千春さんとともに、海ノ民話の魅力やその伝承・活用、新しい「海ノ民話」の創作についてそれぞれの視点から語っていただきました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として実施しました。
<イベント概要>
名称:「海ノ民話アニメーション2024完成披露イベント」特別トークショー
主催:一般社団法人日本昔ばなし協会
共催:日本財団「海と日本プロジェクト」
日時:2025年3月29日(土)12時00分~13時30分
会場:銀座 蔦屋書店(東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6階)
登壇者:
高見沢俊彦さん(ミュージシャン・小説家)
佐藤千春さん(民謡研究家)
海野光行(公益財団法人日本財団 海洋事業部 常務理事)
プログラム:
1.トークショー
海ノ民話アニメーションの上映を交えながら、下記3つのテーマでトーク
1部:民話の魅力と背景を学ぶ「海ノ民話とは?」
2部:海ノ民話アニメーションの活用と未来「どう伝え、どう活かすか?」
3部:新しい海ノ民話の創作「現代の民話を作る」
2.フォトセッション
高見沢俊彦さんおすすめ 北海道函館市の民話「ムイとアワビの合戦」の魅力とは?
「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、その民話のストーリーとその民話に込められた「想い」「警鐘」「教訓」を、親しみやすいアニメーションとして映像化する取り組みです。民話の語り手が減少し、地域の貴重な昔ばなしの伝承が困難になってきたことを踏まえ、アニメーションという手段で民話を未来に残していくことを目指しています。 この日のトークショーは、「海ノ民話のまちプロジェクト」の紹介ムービーの上映と、2024年度の成果報告からスタート。全国各地に伝わる25本の「海ノ民話アニメーション」の完成を発表し、昨年度までに制作した67本と合わせて合計92本がYouTubeで視聴可能になったことを紹介しました。
続いて、ゲストの高見沢俊彦さん(THE ALFEE)、佐藤千春さん(一般社団法人 民俗文化興隆協会)、ナビゲーターの海野光行 常務理事(日本財団)が登壇し、3人それぞれが印象に残った「海ノ民話アニメーション」をピックアップ。
高見沢さんは、同じ海で暮らしていた貝どうしの争いの結末を描いた北海道函館市の民話「ムイとアワビの合戦」を挙げ、「絵がとても気に入った。温暖化への警鐘もあるし、神様がエサの取り合いをする生き物たちに対して、ノアの箱舟のように全滅させるのではなく、お互いにすみ分けをさせるということに、ほっこりとした気持ちになった」とコメント。
ムイとアワビの合戦(北海道函館市):https://uminominwa.jp/animation/68/
高見沢俊彦、民話をもとに楽曲制作していた過去を告白
高見沢さんは、THE ALFEEの1980年頃のツアー「フォークソング紀行」で、公演先を訪れては図書館に足を運び、調べた民話をもとにその土地だけの楽曲を作っていたエピソードを明かしました。当時、実際に使っていたノートの中から、北海道乙部町が舞台の、海にまつわる歌詞を披露。地域の民話と音楽を結びつける活動をしていた高見沢さんに、海野常務は「音楽と物語が結びつくことで、記憶に残りやすくなる効果があると思う」とコメントしました。
高見沢さんの新しい海ノ民話「カモメのケジメ」
トークショーの最後には、「現代だからこそ生まれる海ノ民話」についてディスカッションを展開。
高見沢さんが創作した新しい海ノ民話のストーリー「カモメのケジメ」を披露しました。
ストーリー:海岸で暮らすカニすけはいつも海鳥たちにいじめられていた。あるとき怪我をしたカモメのひなが海岸に落ちていたが、そのひなをいじめ返すのではなく、「カモひこ」と名づけて、海洋ごみとして流れ着いたお城のおもちゃを巣にして、カニ総出で守り育てていった。カモひこの怪我が治り、巣立っていったある日、カニすけがアホウドリに襲われそうになっているところ、カモひこが助けに入り『ケジメ』をつけるという、心温まる恩返しの話。
海野常務から高見沢さんへ「民話とともに、音楽も作ってもらえたら。」という要望に、高見沢さんが「もちろん!」と快諾する一幕もあり、大いに盛り上がりました。
日本財団「海ノ民話のまちプロジェクト」
「海ノ民話のまちプロジェクト」は、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施するもので、「海との関わり」と「地域の学び」を、子どもたちに伝え語り継ぐことを目的としたプロジェクト。
日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、その民話のストーリーとその民話に込められた「思い」「警鐘」「教訓」を、親しみやすいアニメーションにして、次の世代を担う子どもたちへ、そして、さらに未来へと語り継いでいきます。
公式サイト https://uminominwa.jp/
公式YouTube https://www.youtube.com/@uminominwa
X(旧Twitter) https://x.com/uminominwa
一般社団法人日本昔ばなし協会