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ゲーミフィケーションとは?
―ゲームデザインの手法を活用した社会課題の解決―

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企業や国などのSDGsの目標達成のための取り組みは、貧困格差問題やエネルギー問題、気候変動問題、プラスチックゴミ問題、健康や労働問題といった様々な分野に渡り、世界中で問題解決に向けた行動を促進しています。一方、課題解決に向けた行動が一過性のもので終わってしまうという懸念があります。そこで、近年注目されているのが「ゲーミフィケーション」という手法になります。本記事ではゲーミフィケーションについて解説します。

ゲーミフィケーションとは?

ゲーミフィケーションとはその名の通り、コンピューターゲームの特徴やデザイン性を非ゲームの環境に組み込むことで、ゲームを遊んでいる時のようなワクワクする楽しい気持ちを刺激し、能動的に行動に移したくなる心理を揺り起こす手法のことです。

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ゲーミフィケーションという言葉自体は2000年代から存在していましたが、SDGsやサステナビリティが注目され始めると、社会問題の解決手法としてゲーミフィケーションに注目が集まりました。ゲームデザインの仕組みを取り入れることで、楽しくモチベーションの向上、学習意欲を促進、コミュニケーションの促進、地域社会との連携、エンゲージメントの増加などが期待されます。

ゲーミフィケーションの主な要素としては次のものがあります。
① ポイント・ランク制度
② バッジ・実績の可視化
③ クエスト・ミッション
④ リアルタイムフィードバック
⑤ 報酬

ゲーミフィケーション要素を確認したところで、ゲーミフィケーションの手法が取り入れられた身近な事例を見ていきましょう。

●ポイントプログラム・ランク制度
現在多くの企業やサービスが、ゲームでは定番のポイント制度やランク制度を通じてゲーミフィケーションを導入しています。主にショッピングで利用されているポイントプログラムでは、消費に応じたポイントバックやポイントカードのランクアップなどの特典を提供することで、購買意欲や行動変容を促進しているといえるでしょう。

●健康管理アプリ
健康管理アプリやウェアラブルデバイスおいて、歩数や消費カロリーを記録し、その運動量に基づいてポイントが獲得できる仕組みが広まっています。こういったアプリでも、ゲームデザインの仕組みを取り入れることで、楽しみながら運動に取り組み、リアルタイムなフィードバックがあることで健康的な生活習慣の維持を促進しています。

●学習アプリ
ゲーミフィケーションは教育の分野にも導入されており、クイズ形式をとったものやカードゲーム形式、ボードゲーム形式などの学習コンテンツが提供されています。ゲームのように楽しみながら学習でき、より効率的に知識の習得ができるよう工夫されているのです。

●社内研修
企業研修や社内教育においてもゲーミフィケーションの手法は活用されています。例としては、社員が研修過程をクリアすることでポイントやバッジを獲得できるような制度。挨拶カード・サンクスカードといったものを活用することでコミュニケーションを促進し、モチベーションを向上させる効果だけでなく離職率を下げる効果も期待されています。

事例を見てわかる通り、SDGsの目標とも関わりの深い教育、健康、ビジネスといった様々な分野において、ゲーミフィケーションが活用されているのです。


ゲーミフィケーションを活用した社会課題の解決

さて、身近なところでもゲーミフィケーションが活用されている事例を見ていきましたが、社会課題解決の手法としてはどのように活用されているでしょうか?
ゲーミフィケーション×社会課題解決の事例を2つ紹介します。

●セガエックスディー
ゲーミフィケーションの手法活用した事業を手掛けているセガエックスディーは、脱炭素社会実現に向けた取り組みとして、スマホアプリを活用した環境配慮型ライフスタイルへの行動変容を促す実証実験に参画しています。このアプリは箱庭ゲームの形を取っており、継続的・自発的な環境配慮のための行動を促すことを目的としています。ゲーム内の「チェックイン」や「スタンプラリー」の機能では、実際にそのスポットに訪れてQRコードを読み込むことでゲーム内アイテムなどを獲得できる仕様となっており、ゲームを通じることで実際に行動に移すことへの心理的ハードルを下げ、環境アクションの習慣化を促す作りになっています。セガのゲームという強みをそのまま活かした取り組みといるでしょう。

また、その他にも障がい者雇用と受け入れのための社内研修用ボードゲームの開発なども行っています。

【参考】
セガ エックスディー―事例紹介―

●スポGOMI
一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブが運営するスポGOMIは、企業やボランティア団体が取り組みゴミ拾いにスポーツ要素、ゲーム要素を落とし込み、競技へと昇華させた取り組みです。社会奉仕活動であるゴミ拾いにスポーツとして参加することで、健康な体づくりと子どもから大人までゴミを捨てないリサイクル習慣を意識させ、スポーツ感覚できれいで暮らしやすい街づくりを促進できます。今ではスポGOMIワールドカップが開催されるまでの規模に成長を遂げています。スポーツのゲーム性という部分に着目し、ゴミ拾いと融合させることで環境保護を促す、ゲーミフィケーション導入の良い例と言えるでしょう。

【参考】
スポGOMI

まとめ

ゲーミフィケーションは身近なモノでも活用されており、社会問題を解決するための手法としても注目されています。SDGs学習を促し、ソーシャルネットワークなどのシステムを組み合わせることで、社会貢献活動や地域活動への参加を促進し、エンゲージメントを高めるといった効果が考えられるでしょう。ゲームデザインのシステムとしての側面を取り入ることで、「実際に行動に移す」といったことへのハードルを下げることを可能とするユニークな手法だと思います。今後、AIやメタバースが拡大・普及していくことで、さらなるシナジーを生み出すことができるかもしれません。

Sus&Us編集部

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