オレンジページの取り組み 「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」が 「2021年度グッドデザイン賞」を受賞
株式会社オレンジページ(本社:東京都港区、代表取締役社長:一木典子)が取り組む「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」が、このたび2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
生ごみを捨てず、堆肥にし、野菜やハーブを育て、またおいしく味わう……。
そんな循環を、誰もが無理なく暮らしに取り入れ、実践できる。
それを後押しするのが「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」です。
本取り組みは、株式会社オレンジページのブランドパーパス〈「食」を起点に暮らしをつくり、生活者、コミュニティ、地球のよりウェルビーイングな未来をつくる〉に基づき、「バッグ型コンポスト」を開発・販売するローカルフードサイクリング株式会社(福岡県福岡市)、オレンジページ本社がある港区において、まちのコミュニティと地域の未来を考える「みなとーく」(東京都港区)と連携し、「都市で生ごみを捨てないコンポストのある暮らし」を生活実装させる、現在進行形、未完のデザインです。2021年10月には新虎通りエリアプラットフォーム協議会と連携し、公園にコミュニティコンポストを設置する社会実験も始まりました。
グッドデザイン賞審査委員による評価コメント
関心は持ちながらも、維持管理するのが大変な印象から始めるハードルが高い印象があったコンポストに対して、コンポストそのもののデザインや情報設計、コミュニティづくりによって手軽さと安心感を与えることに成功しています。実際に周囲にもユーザーが複数人いて、楽しく続けられているようです。今後予定されているコミュニティコンポストの導入や行政との連携により、地域コミュニティや教育機関など、より公共的な動きにもつながっていくことを期待しています。
なぜ「生ごみ」? なぜ「コンポスト」?
●生ごみを減らすことで、気候変動の抑制に繋がります
近年、大きな問題になっている気候変動。その原因のひとつが、大気中のCO2(二酸化炭素)の増加です。じつは生ごみも、CO2増加の要因であることはご存じでしょうか? その80%が水分と言われる生ごみは、焼却時にたくさんのエネルギーを使いCO2を排出します。生ごみを減らすことはCO2の削減につながり、また、ごみの輸送や焼却にかかるコストの削減にもなります。特に、人口が多い都市部での生ごみを減らすことが大切です。
●暮らしの中で取り組める生ごみ削減のアクションが「コンポスト」
コンポストとは、生ごみを、微生物の力で分解して堆肥にすること、または、できた堆肥や、堆肥をつくるための容器のことです。堆肥はガーデニングや家庭菜園で活用するのはもちろん、自治体や地域コミュニティなどで回収され活用している例もあります。しかし、一般的なコンポストは大がかりな設備のものが多く、特に都会暮らしではハードルが高いのも事実。そこで、オレンジページは生活に取り入れやすい形態のバッグ型コンポストに着目しました。
オレンジページでは、誌面などで新たに提案するレシピの試作を自社キッチンで行っています。そこで出る生ごみを使って「コンポスト」を社内で実践、バッグ型コンポストの利便性、堆肥化する際に生じる疑問やその対処法をコミュニティサイトでタイムリーに発信していきました。また、生活情報誌『オレンジページ』での紹介をはじめ、読者との対話型セミナーの開催、さらには自社通販での取り扱いをスタートさせるなど、多面的なアプローチで「コンポスト」導入への生活者の敷居を下げ、生ごみを循環させる暮らし方への生活実装をデザインしました。
「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」4つのポイント
1.事前調査と社内での実践で、導入への「壁」を把握し敷居を下げる情報を発信
・アンケートにより「やってみたいけど、ここが不安……」の声を調査
・まずはオレンジページ社員が実践。導入への不安を解消するコンテンツをWEBや誌面で発信
・「やってみたい」を後押しするオンラインセミナーを実施
2.「バッグ型コンポスト」で、誰でも気軽に始められる
〈バッグ型コンポスト「LFCコンポスト」の特長〉
・キッチンやベランダに置いて使える都市型コンポスト
・初心者でも始めやすいコンパクトなサイズ、スタイリッシュなデザイン
・分解を速め悪臭を抑える独自の配合基材つきだから、安心
・水や虫の侵入を防ぐ特注ファスナーつきで、においも気にならない
・不安やお悩みはLINEですぐに解決!
※オレンジページの発信を通して興味・関心を持ったかたがすぐに買えるよう、「オレンジページ通販」でも販売
https://ec.orangepage.net/products/detail/1392
3.自治体と連携したコミュニティづくりで「堆肥の出口」と「人とのつながり」を創出
・近隣の公園花壇で堆肥を活用
・新虎通りエリアプラットフォーム協議会(港区芝地区総合支所と一般社団法人新虎通りエリアマネジメントからなる官民連携組織)と連携し、公園にコミュニティコンポストを設置。自宅で使わない堆肥は地域に還元
・コミュニティコンポストを通じて、地域や人とのつながりが生まれる
4.「続けられる、続けたくなる」情報を継続的にお届け
・みんなの体験をコミュニティサイト「オレンジページサロンWEB」で共有
・オレンジページ社員の実践の様子も継続して発信
・コミュニティサイトに投稿されたリアルな声が疑問や不安の解消につながる
https://orangepage.cocosq.jp/Contents/tag?tagId=27
2021年グッドデザイン賞受賞「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」
・プロデューサー/一木典子
(株式会社オレンジページ http://www.orangepage.jp/untied-pages/ 代表取締役社長)
私たちは、地球温暖化を逆転する方策を示した名著『DRAWDOWN』で第60位に入る「生ごみの堆肥化」に「生活実装デザイン(※)」を施すことで生ごみゼロの実現を願い活動しています。
ローカルフードサイクリングのたいらさんが、プロダクト単体で十分グッドデザイン賞に値するプロダクトを、敢えて「生活実装デザイン」として一緒に応募してくださったのは、本気でソーシャルインパクトにつなげたいから。みなとーくの中さん・横尾さんが、進むべき道を切り拓いてくださるのも、市民からまちを豊かにしたいから。「妄想」だったコミュニティコンポストの試行も始まります。
私たちは、他のコミュニティを含む、より大きな「私たち」というエコシステムを信頼し、「生ごみの堆肥化」の「生活実装デザイン」に取り組み続けます。
・ディレクター/たいら由以子
(ローカルフードサイクリング株式会社 https://lfc-compost.jp/ 代表取締役社長)
便利になった都市生活は、土とわたしたちの健康に貢献してくれる微生物との接点も遠ざけてしまいました。多様なメニューで見捨てられる食材をご馳走に変え、出た生ごみをおいしい野菜に変えるしくみをつくる。オレンジページと私たちの共有項は「たのしい」。大都会の有機的なつながりは、健康的かつ持続可能なまちの可能性を引き出し、強靭化していきます。食卓が真ん中にある、たのしい食カルチャーを都市部から広げていきます。都会のオフィスの自社キッチンで、社員自らコンポストをかき混ぜ、チャレンジに奮闘を始めたオレンジページや、港区のメンバーとご一緒できること、新たな可能性にワクワクしています。
・ディレクター/中裕樹(みなとーく https://note.com/mina_talk/ 代表)
「みなとーく」は港区に関わる多様な方々とともに、”港区をよくするために、自分自身ができること・こうなってほしい”アイディアを考え、具現化していく取り組みです。コンポストをテーマとしたワークショップを通じて、個人での取り組みが地域とつながることで、持続可能な循環が生まれる可能性を感じました。生活者、企業、店舗が集まる都市ならではの魅力を活かし、行政のご協力も得ながらモデルケースができたらと思います。
・ディレクター/横尾俊成(みなとーく・港区議会議員)
都市では近年、狭い土地に多くの人が集められ、マンションと職場を往復する毎日で職場以外の交流、近隣同士の交流は省かれてきました。経済を産みづらい食物は郊外で生産され、都市生活者はそれを消費するのみでした。一方、私たちのコンポストは、彼らを簡単に生産者にします。多様な人と企業、NPO、エリアマネジメント団体、行政、それに農地をつなげ、循環を生んでいます。ここで生産されるのは、花壇や農地の土のみならず、人々の関係性です。
・デザイナー/高谷朋子(株式会社オレンジページ)
都市でも、初めてでも取り入れやすいイノベーティブでファッショナブルなバック型コンポストのプロダクトデザインが起点となって、自分たちのワクワク!ドキドキ♪や、社会や地球にちょっといいワケをわかりやすく伝え「やってみたい」と敷居を下げるコミュニケーションデザイン、「やってみたい」と思ったときに手に届きポジティブな経験に導く体験デザイン、意志ある個人として繋がり、楽しみ、知恵を寄せ合い進化するワイガヤコミュニティデザインを「コンポストで始まる循環の生活実装デザイン」としました。「私たち」の輪が広がり、それぞれの場所で新たな循環が生まれ育つ、このデザインに完成形はありません。
グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。http://www.g-mark.org/
■株式会社オレンジページ
雑誌『オレンジページ』他雑誌・書籍の出版をはじめ、マーケティングによる情報提供サービス、生活雑貨を中心とした通販、「食」と「暮らし」を中心としたイベント・講座の運営など、生活を軸に多方面で事業を展開。2020年8月にブランドパーパスを〈「食」を起点に暮らしをつくり、 生活者、コミュニティ、地球の、よりウェルビーイングな未来をつくる〉と設定しSDGs 達成にむけた取り組みを強化。2021 年 6 月に「生活実装する会社」をタグラインに掲げ、コーポレートロゴを新設。企業・団体との新たな協業に取り組んでいる。
※オレンジページ社が掲げる「生活実装」とは……
・生活者の〈本当にほしい〉をくみ取る傾聴力
・どんな情報も丁寧に咀嚼し、〈リアルな生活シーン〉を描く編集力
・〈誰もが実践できる〉を実現する徹底した検証主義
ブランドパーパスに基づく取り組みとして、2021年9月24日、新WEBメディア「ウェルビーイング100」をオープン。https://www.wellbeing100.jp
【この取り組みに関するお問い合わせ】
株式会社オレンジページ くらしデザイン部 担当:高谷(たかや)
kurashi@orangepage.co.jp TEL:03-3436-8418
【取材についてのお問い合わせ】
株式会社オレンジページ 総務部広報 担当:遠藤
press@orangepage.co.jp TEL:03-3436-8421
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