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グリーンボンド、ソーシャルボンド…「SDGs債」って一体どんなもの?

皆さんは「債券」という言葉を知っていますか?

あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、債券というのは国や企業といった「発行体」が、投資家などから資金を借り入れるために発行する有価証券(財産価値のある証券)のことで、要するに国や企業が行う借金のようなもので、発行体が投資家からお金を借りる代わりに、投資家は利子をもらう仕組みになっています。

一般的に知られているもので言えば「国債(国が発行している債券)」が債券にあたりますね。

そんな債券ですが、実はSDGs専用の債券である「SDGs債」というものがあります。

今回は、その「SDGs債」について紹介していきます。

「SDGs債」とは?

SDGs債とは、環境・社会課題解決を目的とした資金調達として発行される債券の総称のことで、主に企業や自治体が発行体となります。
発行体にとっては、使用用途が限定されるものの、調達した資金によってSDGs活動を行い、企業価値を向上させられる点がメリットです。なお、資金が正しい用途で使われたかを確かめるため、レポーティングやレポート提出が必須となります。
一方、投資家にとってのメリットは大きく2点に分けられます。1点目は、社会的な貢献をアピールできる点。2点目は、資金の使い道が明確でプロジェクトの説明を受けられるため、投資前の判断材料が多い点です。

こうした特徴を持つSDGs債ですが、ここではその代表例として以下の3つ紹介したいと思います。

・「グリーンボンド」
・「ソーシャルボンド」
・「サステナビリティボンド」

「グリーンボンド」

グリーンボンドは、再生可能エネルギーの活用、汚染防止や、地球温暖化への対策など地球環境の問題解決に関連する用途(グリーンプロジェクト)に限った債券です。
【グリーンボンドについて】
国際資本市場協会「グリーンボンド原則」
【事例】
日本郵船株式会社「環境対応船に関する事業」

「ソーシャルボンド」

ソーシャルボンドは、途上地のインフラ整備や、食糧供給のシステム構築など、社会的利便性の問題解決に関連する用途に限った債券です。
似た言葉として、行政が担当していた公共事業を民営化するために民間投資家化から資金を募る「ソーシャルインパクトボンド」というものもありますが、似て非なるものなので注意が必要です。
【ソーシャルボンドについて】
国際資本市場協会「ソーシャルボンド原則」
【事例】
神戸市 2025ビジョン -BE KOBE-

「サステナビリティボンド」

サステナビリティボンドは、環境的問題、社会的問題のどちらも取り組む事業に関連する用途に限った債券です。
グリーンボンドとソーシャルボンド双方の規定に適合する必要があります。
【サステナビリティボンドについて】
国際資本市場協会「サステナビリティボンド・ガイドライン」
【実例】
三井不動産株式会社 サステナビリティファイナンス

まとめ

債券自体、普段の暮らしではあまり耳にすることはありませんが、証券取引の世界でも、SDGsに関連する取り組みが広がり始めています。
探してみると、身近なSDGsの取り組みもこういった取引によって支えられている部分が少なくありません。
SDGsの活動の輪を広げるためにも、こういった活動のことをもっと知っておきたいところです。

参考:日本証券協会「SDGs債」

Sus&Us編集部

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