自販機、ごみ処理、牛のげっぷ…続々とはじまるSDGsの新たな取り組みへの挑戦
地球環境にやさしい取り組みが、続々とはじまっています。
今回は、そのうち、編集部がこれは!と興味を惹かれた取り組みを3つ紹介します。
「CO2を食べる自販機」?
一つ目は、なんと、「CO2を食べる自販機」!
ネーミングが面白いですよね。
こちらは、アサヒグループのアサヒ飲料が開発した、大気中のCO2を吸収する自動販売機です。自動販売機は、もともとまわりの大気を吸いこみ、それを利用して商品を冷やしたり温めたりしていますが、その機能を上手く利用してつくられたそうです。
1台当たりのCO2吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%で、これは林齢56-60年のスギに置き換えると約20本分の年間吸収量に相当するそうです。
自動販売機から吸収したCO2は、各自治体や企業などと共創し、さまざまな工業原料として活用することを計画中とのこと。
現在はまだ実証実験の最中とのことですが、この自動販売機がたくさん置かれることで、CO2の削減に貢献しそうです。将来的には、自動販売機のCO2排出量の100%を吸収することも可能になるとか。
自動販売機だけじゃなく、社会が「CO2を食べる機械」だらけになる未来がくるのかもしれませんね。
【参考】
アサヒ飲料2023.05.09ニュースリリース
ごみがぜんぶ水素に!?
お次は、廃棄物から資源としての水素を生み出すシステムを推進するBIOTECHWORKS-H2社の紹介です。
社名と同じ、BIOTECHWORKS-H2®というこのプロジェクトは、ごみをリサイクルするのではなく、ごみから再生可能エネルギーを作り出し、そのエネルギーからまた新たな製品の生産をする仕組みです。
このプロジェクトを担っているプラントは、廃棄物を燃焼させずガス化し、有機廃棄物の99%以上を再生可能エネルギー化するそうです。繊維製品の廃棄物量から6~7%、食品廃棄物から7~8%の水素化が可能で、水素は再生可能エネルギーとして、燃料電池や水素コージェネレーションで使用されることを想定。2025年、日本とマレーシアでのプラント建設を目指し、2030年までに「すべてのごみが資源になり、廃棄物がゼロになる」時代を構築したいという壮大な目標を掲げています。
すべてのごみが資源になるなんて、夢のようなプロジェクトです!
プロジェクトの本格稼働はこれからのようですが、今後の進捗が楽しみです。
【参考】
株式会社 BIOTECHWORKS-H2「BIOTECHWORKS-H2®エコプロジェクト賛同企業募集中」
牛のげっぷのこと、知ってますか?
みなさんは、牛のげっぷが温室効果ガス増加の大きな原因になっているということをご存じでしたか?
牛のげっぷにはメタンガスが含まれているのですが、メタンガスは温室効果ガスとして一般的に知られているCO2の約25倍の温室効果があるのです。そして、牛のげっぷによるメタンガスの温室効果の影響は、世界全体で約4%ともいわれています。
そのため、各国で、牛のげっぷを減らすために研究開発が進められているのですが、微細藻類の新たな可能性の研究を推進するアルヌール社は、実験において、培養した天然物、微細藻類の成分が、牛のげっぷ由来のメタンガスを抑制する効果があると、確認したのです。
まだ実験段階ですから、実用化、またその肥料化に時間かかかると思われますが、牛のげっぷ問題が解決することは、温室効果ガス削減の大きな貢献になると期待されます。
とはいえ、残り96%の温室効果ガスについても、解決を探っていかなくてはいけないですね。
新たな技術開発が進み、少しでも温室効果ガスの発生を抑えることができることを願うばかりです。
【参考】
株式会社アルヌール「インビトロ法により牛のゲップ由来メタンの削減効果を確認」
Sus&Us編集部