家庭ごみの現状
一般家庭でも、かなりごみの分別が進んできたわが日本。
自治体によって分別方法は違うものの、雑紙や容器包装プラスチックなどがリサイクルにまわるようになってきています。
今回は家庭ごみに焦点を当て、現状をお伝えします。
リサイクルのひろがりと日本の課題
2000年6月に公布された循環型社会形成推進基本法に基づき、リデュース・リユース・リサイクルが進んでいます。
身近なところでは、ブックオフやメルカリなどを通じた、中古商品の売買によるリユース。みなさんも利用されたことがあるかもしれません。
資源へのリサイクルとしては、ペットボトルなどの分別回収はいまや当たり前になっています。それだけでなく、雑紙や容器プラスチックなども分別回収している自治体がとても多いようです。
ただ、日本の場合、家庭ごみで大きな問題となっているのは実は可燃ごみです。その分量は世界一、そして焼却施設数も世界一と言われています。衛生上悪臭や病気などを防ぐため、最終処分場を長く使うため、日本の可燃ごみは増え続け、現在、独自の技術でつくられた溶融炉によって処理されています。
溶解炉は、ごみを1300℃~1700℃の高温で溶かし、減容化・無害化してしまう処理方法です。可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、ガラス屑、金属屑、汚泥、焼却炉から排出される灰、医療系廃棄物、感染性廃棄物などあらゆるごみを高温で溶かします。しかも、ダイオキシンがほとんど発生しません。現在では、溶融後に最終生成されたスラグやメタルもリサイクルされつつあります。
一見、問題がないように思えますが、すべてのごみを燃やすことによる温室効果ガス排出量の増加と生ごみのリサイクル率の低さを国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)から指摘されています。
というのも、家庭ごみの4割程度が生ごみと言われているからで、そのせいで日本のリサイクル率が著しく低くなっている現状があるからです。
参考:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について
まとめ
家庭ごみについては、今後より一層、プラスチック、生ごみのリサイクルが求められています。
プラスチック回収については、まだ仕組みのない自治体もあるため、早急な分別回収が求められます。
生ごみ処理については、一部自治体で家庭用生ごみ処理機の購入に助成金制度があります。生ごみの処理を全世帯が各自に行うことは現実的ではありませんが、検討に値すると思います。
いずれにしても、自治体による分別回収の仕組みづくりが期待されます。
参考:日本の廃棄物処理・リサイクル技術
参考:容器包装リサイクル法とは
Sus&Us編集部