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SDGsウォッシュを意識する

SDGsウォッシュという言葉を知っていますか?
企業のサステナビリティ担当者なら意識されていらっしゃるかもしれませんが、一般的には、聞いたことがある言葉であっても内容をよく知らない方も多いかと思います。
今日はSDGsウォッシュについて、考えてみたいと思います。

SDGsウォッシュの背景

SDGsウォッシュとは、グリーンウォッシュという言葉をもとにした造語で、SDGsと「粉飾、取り繕い、ごまかす」という意味のWhitewashを組み合わせた言葉です。
文字通り、SDGsの取り組みについて、実態が伴っていない状態を批判する言葉です。
派生元のグリーンウォッシュという言葉も、あたかも環境に配慮した取り組みをしているように見せかけることを言います。

近年、サステナブル(持続可能)であることが求められ、環境や社会に配慮する事業や企業戦略に言及する企業が多くなっています。
企業間取引や株主も、そういった観点で評価することが増えているため、SDGsに取り組んでいないことが企業存続にかかわるようになったといっても過言ではありません。

そういった状況のなか、対外的な広報に反するような事例が散見され、それが評価機関やSNSなどで取り沙汰されることも増えてきています。

例えば、脱炭素や気候変動への対応に取り組むと表明しながら、火力発電事業への融資を行う。
フェアトレードを心掛けるとしながら、強制労働の疑惑がある工場から製品を購入していた、といった事例がSDGsウォッシュに該当します。
過去に紹介した、アメリカの大手投資会社ブラックロックスの動向などは、その代表例としてよく取り沙汰されています。

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SDGsウォッシュと烙印を押されてしまうと、イメージダウンや取引関係や雇用への影響などといった事態に陥るため、その原因について考え、対策を講じることが大事です。

SDGsウォッシュの起きる原因

SDGsウォッシュが起こる原因は、主には下記となっています。

1. サプライチェーン管理の問題
2. 従業員の理解度不足
3. 理念と実態の乖離や本質への理解不足

「サプライチェーン管理の問題」は、そのマネジメントに多くの企業が取り組んでいますが、製造工程や仕入先の末端にまで目が届かないことから起きます。
実態の把握・管理を徹底するとともに、起こりそうな問題をあらかじめ想定して問題の根をなくしていくことが必要といえます。

「従業員の理解度不足」は、企業戦略や実際の施策に取り組み内容を設定していても、従業員がその背景や、しないことによるリスクなどを理解しないままでいることによって起きます。
結果、積極的に活動をせず、日常的な業務が優先されることにより取り組みが停滞し、目標と現実の乖離から実態が伴わない状況に陥ります。

「理念と実態の乖離や本質への理解不足」は、サステナビリティやSDGsを、理念や中期経営計画に掲げていても、具体的な施策までSDGsが落とし込めていないことによるものです。
特に、投資家や取引先などの外因的理由から活動を進める場合は注意が必要です。
本質を理解し、具体的な施策までしっかり落とし込み、その進捗を管理することが必要です。

まとめ

SDGsウォッシュは、今や企業リスクのひとつとなっている感もあります。
サステナビリティやSDGsの活動の進捗がより厳しく問われているとも言えるため、目標や戦略を立てるときから、どこまでできるのか、推進の課題はなんであるのかをしっかり把握して活かしていく必要があるでしょう。

近い未来には、サステナビリティやSDGsの取り組みの進捗がニュースの話題となる日がくるかもしれません。

Sus&Us編集部

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