「サステナビリティ」について今一度考える
SDGs(Sustainable Development Goals)の言葉の中にある、「サステナブル」。最近では「サステナビリティ」という言い方もよく耳にしますし、今ではすっかり社会に浸透していますが、この言葉が指すところは一体何でしょうか?
「サステナビリティ」(持続可能性)
「サステナブル」は「持続可能」、「サステナビリティ」は「持続可能性」という意味を持つ言葉です。
サステナビリティは、少し難しい言い方をすれば、「社会や環境への悪影響を最小限に抑え、将来の世代にも資源や環境を提供し続けることができること」を指します。サステナビリティの考え方は、単なる経済成長や発展の追求だけではなく、貧困削減や社会的な格差の縮小などの、社会的な公正や環境保護も含まれます。
例えば、森林を伐採して建物や家具、紙などを作れば人々の暮らしは便利になり、経済は成長しますが、次の木が育つ前に伐採しつくしてしまえば、今後は木材を利用することができません。それどころか、森林がなくなることでそこに暮らす生物が生きる場所が奪われる、光合成による二酸化炭素の吸収がされなくなり、地球温暖化が進んでしまうといった影響もあります。
また、木材製品を一部の人たちだけが利用できる状態になっているのであれば、他の人たちは経済成長の恩恵を受けられないままです。
こうした問題があるからこそ、サステナビリティという考え方にスポットライトが当てられることになったのです。
持続可能な未来を築くためには、私たちは環境への負荷を最小限に抑える取り組みを行う必要があります。故のSDGsであり、再生可能エネルギーの利用や廃棄物のリサイクルなど、地球環境を守るための行動は、まさにサステナブルな行動の一環と言えます。
それらの取り組みは、私たちが未来の世代に負担をかけずに、より良い社会を築くための責任を果たすことにつながります。
サステナビリティの是非
サステナビリティの考え方は、これからの社会において重要な考え方ですが、サステナビリティそのものの是非については、もちろん個々の価値観や意見によって異なります。以下に一般的に議論されるいくつかの観点を挙げますが、これらはあくまで一例であり、全ての視点を網羅するものではありません。
1.環境保護: サステナビリティの観点からは、環境への配慮が重要です。環境汚染や気候変動の問題に取り組むことは、地球の生態系や資源の保護、そして将来の世代に良い環境を残すために必要とされます。
2.社会的な公正: サステナビリティは、社会的な公正を重視する考え方でもあります。経済成長や開発が社会全体に平等な利益をもたらすこと、貧困や格差の是正が進むことが求められます。
3.経済的な発展: サステナビリティは、持続可能な経済成長を追求することも含みます。経済的な発展が持続可能であることは、雇用創出や生活水準の向上などの面で重要とされます。
4.個人の自由と選択: 一部の人々は、サステナビリティの追求が個人の自由や選択に干渉する可能性があると主張することもあります。例えば、特定の産業や消費行動への制限が個人の選択を制約するとの意見が存在します。
これらの観点は、それぞれに優先順位やバランスの取り方が異なることもあります。持続可能な未来を築くためには、多面的な視点を考慮し、利害関係者の異なる意見を尊重する必要があります。
まとめ
SDGsが目指す2030年に向けて、サステナビリティの考え方はますます浸透していくと思いますが、一度その言葉や考え方がもつ意味を考え、自分の中で確固とした意見を持つことも重要です。
これからの社会、一人一人が持続可能な未来とはどのようなものか、しっかり考えていきたいところです。