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サステナビリティやESGに関する評価について

昨今、SDGsやESGといったサステナビリティ関連の言葉・取り組みは、私たちにもすっかり浸透し、学校教育や企業活動にも影響を及ぼすようになりました。そこで今回は、企業のSDGs活動やESGへの取り組みに注目したいと思います。
私たちが企業の取り組みについて知るための指標になる、サステナブル認証やESG認証について見ていきましょう。

サステナブル認証とは?

サステナブル認証は、企業やその製品が経済、環境、社会に配慮したものであるかを評価する認証のことです。「自然環境を破壊していないか」「児童労働など非人道的な活動に加担していないか」「公正な取引を行っているか」「持続的な社会づくりに貢献しているか」などを考慮して第三者機関が審査、評価を行い、認証します。

認証制度は数百にも及ぶほど様々な種類がありますが、主に企業や団体を対象とする「ESG認証」と、主に商品やサービスを対象とする「サステナブル認証ラベル」に分けて考えると理解しやすいでしょう。

ESG認証を行う第三者評価機関

ESG 認証とは、企業・団体の持続可能性とリスク管理に関連する「環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」に焦点を当てた認証制度です。第三者機関の評価を受けることで、様々なステークホルダーからの信頼を得やすくなるというメリットがあります。

主な認証制度について、第三者評価機関ごとにいくつか紹介していきます。

・B Lab
アメリカの非営利団体B Labは、企業が社会や環境等に貢献していることを重視し、良い企業を意味するB Corp認証という民間認証制度を実施しています。B Corp認証を取得するためには、企業の社会、環境、透明性、統治の4つの側面についての基準を満たさなければなりません。

・S&P Dow Jones Indices(DJI)
アメリカのDJI社は、スイスのRobecoSAM社と共同で開発した世界で初となるDJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)というESG株式指標を使用した認証を行っています。この指標では「経済、環境、社会」についての評価に基づいて持続可能性基準を満たし、評価された企業が、サステナビリティに優れた企業として構成銘柄に選定されます。

・ISO(国際標準化機構)
スイスのジュネーブに本部を置くISOは、国際的に通用する様々な規格を制定している機関です。サステナビリティとも関連の深い規格としては、ISO 14001(環境マネジメントシステム)があります。ISO14001を取得するためには環境問題について取り組むためのマネジメントシステムを構築し、基準を満たす必要があります。

・経済産業省
日本では、経済産業省による「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)銘柄」など、主に中小企業向けの制度が多く存在します。多くの日本企業がSXの視点に立ち事業再編や新規投資を通じて価値創造をしていくことが期待されています。

また、経済産業省と東京証券取引所が共同で女性の活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」というものもあります。こちらは中長期の企業価値向上を重視する投資家に魅力のある銘柄として紹介することで、企業への投資の促進、各社の取り組みを加速させる狙いがあります。

他にも様々な分野に特化した機関や指標、認証制度があります。ここで興味を持った方は、ぜひ、ご自身でも確かめてみてください。

サステナブル認証ラベル

サステナブル認証ラベルは、環境ラベルなどとも呼ばれ、消費者にとっても役に立つ認証制度です。普段の生活で認証ラベルのついた商品・サービスを選ぶことで、個人でもSDGsやサステナブルな活動に貢献していけます。

・MSC「海のエコラベル」
MSC(海洋管理協議会)の「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理されたサステナブルな漁業で獲られた水産物であることを証明するラベルです。

・レインフォレスト・アライアンス
環境破壊や気候変動などの問題を改善するために活動している非営利団体のレインフォレスト・アライアンスは、農場を対象とした認証を行っています。農園環境、土壌・水を含めた天然資源、生態系や多様性を守り、労働者の労働条件やその家族・地域社会を含めた教育・福祉などの問題に対する基準を満たす必要があります。
認証を得た農園で生産された製品、またはそれらを原料に用いた製品には、レインフォレスト・アライアンス認証マークが与えられます。コーヒーや紅茶、チョコレートなどに付いているカエルのマークに見覚えのある方は多いでしょう。

・持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)
世界自然保護基金(WWF)等を中心に設立されたRSPOは、パーム油の生産において、生物の多様性や森林に依存して暮らしている人々に悪影響を及ばさないようにすることを目指し、持続可能なパーム由来の原料の使用、生産に貢献した製品であることを示す認証を行っています。

・エコマーク
日本環境協会の「エコマーク」は、商品カテゴリーごとに、資源採取から廃棄・リサイクルまでの環境負荷に関する基準を満たすことで認定されます。

ラベルについてもっと詳しく知りたい方は、環境省「環境ラベル等データベース」が参考になります。

まとめ

サステナブル認証制度や認証機関には様々なものがあり、広範囲を対象にしたものから、特定の領域に特化したものなど多岐にわたった認証制度があります。

「認証を受けているかどうか?」「認証ラベルがあるかどうか?」などを意識することで、企業だけでなく私たち一人ひとりが社会、環境に対して貢献できます。

認証制度や認証ラベルをうまく活用し、個人、各企業がより良い未来のために活動していくことが大切です。

Sus&Us編集部

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