2022/09/29
J-REITにおける『グリーンファイナンス』~現状と今後の展望~
環境省がグリーンボンドガイドライン ・グリーンローン原則を策定してグリーンファイナンスに係るルールが整備され、グリーンプロジェクトを対象とするグリーンボンドやグリーンローンによる資金調達が増加。
2021年の調達額は、グリーンボンドが前年比81%増、グリーンローンが同102%増と急拡大している。
不動産投資信託(J-REIT)でも、中長期的に安定した資産運用を行う観点から環境に配慮した不動産への意識が高く、運用資産の省エネ化や温室効果ガス排出量削減に取り組む。省エネルギー化など環境性能の高いグリーンビルディングを対象とするグリーンボンドの発行金額は、J-REITが約5割を占めるまでに至り、今後のグリーンファイナンス市場の発展を考察する上で、J-REITの動向を確認する重要性は高い。2022年3月時点のJ-REITの有利子負債のうち、グリーンファイナンスが占める割合は4%に留まるが、グリーンファイナンスに必要な環境認証の取得割合が保有物件総額の6割に達することを踏まえると、グリーンファイナンスの拡大余地は十分にある。グリーンファイナンス拡大には、環境認証やグリーン評価の取得、電力消費量・CO2排出量のモニタリング体制整備など、コストや時間が課題だが、J-REITの運用会社でも体制整備が進んでいることから、今後はグリーンファイナンスの取り組みも加速していくとみられる。
三井住友信託銀行株式会社
掲載元:PR TIMES