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気候変動にまつわる国際会議「COP」とは?

気候変動枠組条約の参加国が、年に一度集まる国際会議

 皆さんは、国連気候変動枠組条約締約国会議――通称、COPをご存じでしょうか。

 COPとは「気候変動枠組条約」の参加国によって、地球温暖化にまつわる具体的政策を議論する国際会議のこと。年に1回のペースで開催されており、2022年11月6日から同月20日にかけてエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されたCOP27が直近の会議となります。

 なお、略称の‟COP”は、締約国会議(Conference of the Parties)」から来ています。

京都議定書やパリ協定の採択も

 COPの始まりは、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「環境と開発に関する国際会議」――通称、地球サミットです。約180か国の政府代表者や、多くの地方公共団体、NGOが集結したこの会議では、「アジェンダ21」や「森林原則声明」への合意などとともに、気候変動枠組条約も締結されました。
 気候変動枠組条約は地球温暖化防止条約とも呼ばれており、温室効果ガス(以下、GHS)の排出量を1990年の水準に戻すことを目標とし、そのために必要な施策やGHSの排出量を報告することが、参加国に課せられています。そしてそれを報告する場として、毎年COPを開催することが決定されたのです。

 COPで合意された内容は、気候変動にまつわる国際的な取り組みとして強い影響力を持ちます。京都議定書(COP3)やパリ協定(COP21)、グラスゴー合意(COP26)といった有名な取り組みの数々も、この場で採択されてきました。
 また、2017年には当時のトランプ元米大統領がパリ協定からの離脱を宣言するも、その後、COP26の前にバイデン現米大統領が復帰手続きを行うなど、開催期間以外でも話題を集めた経緯があります。

COP27の内容を踏まえて、2023年11月のCOP28へ

最新のCOP27では、政治的なメッセージが盛り込まれた全体決定として「シャルム・エル・シェイク実施計画」が採択されました。これはカバー決定ともいわれ、COPにおける主な成果の取りまとめとして扱われます。

環境省は、それに伴ってCOP27の交渉結果概要を下記のようにまとめています。

[引用]
「シャルム・エル・シェイク実施計画」では、科学的知見と行動の緊急性、野心的な気候変動対策の強化と実施、エネルギー、緩和、適応、ロス&ダメージ、早期警戒と組織的観測、公正な移行に向けた道筋、資金支援、技術移転、パリ協定第 13 条の強化された透明性枠組み、グローバル・ストックテイク(GST)、パリ協定第6条(市場メカニズム)、海洋、森林、非国家主体の取組の強化等を含む内容が決定された。同決定文書は、昨年の COP26 全体決定「グラスゴー気候合意」の内容を踏襲しつつ、緩和、適応、ロス&ダメージ、気候資金等の分野で、締約国の気候変動対策の強化を求める内容となっている。

以上、環境省HP https://www.env.go.jp/content/000088572.pdf より

 引用文中にもあるように、COP27での成果はCOP26での内容を踏まえたものとなってます。特に、途上国における資金援助をどうするかはCOP26から27にかけての宿題でしたが、そのための仕組み作りやファンド創設に合意を得られたのは大きな成果でしょう。
 一方で、その資金支援の具体策については、どの国がどの国に対して、どれほどの金額を、どういう形で?と、煮詰めていかなくてはならない要素が盛りだくさんです。
 こういった点からも、次回COP28の進展に注目しておくとよいでしょう。COP28は2023年の11月30日から12月12日にかけて、アラブ首長国連邦での開催が予定されています。

Sus&Us編集部

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